ビジネスシーンでは、指示や依頼を伝える場面が多くありますが、「命令形」をそのまま使うと失礼に聞こえることがあります。
たとえば、「Send me the report.」(レポートを送れ。)は、カジュアルな場面なら問題ありませんが、上司やクライアントに使うとぶっきらぼうに聞こえる可能性があります。
また、TOEICのPart 2(応答問題)やPart 5(文法問題)では、命令形が頻出するため、その使い方を理解することは試験対策としても有効です。
本記事では、
✅ 命令形と通常の文(主語+動詞)の違い
✅ TOEICによく出る命令形の表現
✅ ビジネスシーンでの適切な命令形の使い方
を分かりやすく解説していきます!
命令形と主語+動詞の見分け方
英語を学ぶとき、「命令形」と「主語+動詞(SV)」の違いを正しく理解することは重要です。見分け方のポイントを詳しく解説します。
命令形とは?
命令形(imperative form)は、相手に指示や依頼をするための文 です。基本的な特徴は以下の通りです。
- 主語を省略 する。(通常 “you” が省略されている)
- 動詞の原形で始まる。
- 強調や丁寧な表現を加えることも可能。
✅ 例文
- Open the door.(ドアを開けて。)
- Sit down.(座って。)
- Please be quiet.(静かにしてください。)
🙅♂️ 間違えやすい点:
❌ You open the door. → これは「あなたはドアを開ける」という通常の文章であり、命令ではない。
主語+動詞(SV)の文とは?
一方、通常の文(SV文)は 「誰が何をするか」を明確に表現 します。
- 主語(誰が)+ 動詞(何をする) の形をとる。
- 主語を省略しない。
- 三人称単数(he, she, it)なら動詞に -s がつく(現在形の場合)。
✅ 例文
- She opens the door.(彼女はドアを開ける。)
- You sit here.(あなたはここに座る。)
- He speaks English.(彼は英語を話す。)
🙅♂️ 間違えやすい点:
❌ Open the door.(ドアを開けて。)→ 命令形
⭕️ You open the door.(あなたはドアを開ける。)→ SV文
命令形とSV文の見分け方
チェックポイント | 命令形 | SVの文 |
---|---|---|
主語があるか? | なし | ある |
動詞の原形で始まるか? | はい | いいえ(通常、主語が先) |
意味 | 指示・命令・依頼 | 状況や行動の説明 |
✅ 例文で確認
文 | 命令形 or SV文? | 理由 |
---|---|---|
Close the window. | 命令形 | 主語なし、動詞の原形で始まる |
You close the window. | SV文 | 主語(you)がある |
Please help me. | 命令形 | 主語なし、動詞の原形で始まる |
She helps me. | SV文 | 主語(She)がある |
否定形の違い
肯定文 | 否定文(命令形) | 否定文(SV文) |
---|---|---|
Sit down. | Don’t sit down.(座らないで。) | You don’t sit down.(あなたは座らない。) |
Be quiet. | Don’t be quiet.(静かにしないで。) | You are not quiet.(あなたは静かではない。) |
- 命令形の否定文 は “Don’t + 動詞の原形” で作る。
- SVの否定文 は主語+助動詞(do/does)+not を使う。
疑問形の違い
命令形の疑問 | SV文の疑問 |
---|---|
Can you open the door?(ドアを開けてもらえますか?) | Do you open the door?(あなたはドアを開けますか?) |
- 命令形では「Can you~?」や「Could you~?」を使うと丁寧な依頼になる。
- SV文の疑問文は Do/Does を使って作る。
ここまでのまとめ
✅ 命令形とSV文の違い
- 命令形は主語なし、動詞の原形で始まる。
- SV文は主語がある、通常「主語 + 動詞」の語順になる。
- 否定形や疑問形の作り方が異なる(”Don’t” vs. “Do you~?”)。
この違いを意識すれば、英語の文構造を正しく理解できます! 🎯
TOEIC頻出の命令形表現とその使い方
TOEICでは、命令形がPart 2(応答問題)、Part 3(会話文)、Part 4(アナウンス)、Part 5(文法問題) などでよく出題されます。
特に、アナウンスや指示を聞き取る場面 や 文法問題で適切な表現を選ぶ問題 では、命令形を正しく理解することがスコアアップの鍵になります。
TOEICに頻出する命令形の表現
表現 | 意味 | 使用例(TOEICでのシチュエーション) |
---|---|---|
Please wait. | お待ちください。 | 空港や駅でのアナウンス |
Follow the instructions. | 指示に従ってください。 | 会社の研修や工場の安全指示 |
Take a seat. | 席に座ってください。 | 会議室や受付での案内 |
Sign here. | ここにサインしてください。 | 契約書やホテルのチェックイン |
Check your email. | メールを確認してください。 | 社内連絡やクライアントからの指示 |
Call me back. | 折り返し電話してください。 | ビジネスの電話対応 |
Turn off your phone. | 携帯電話の電源を切ってください。 | 会議や劇場での注意事項 |
Fill out the form. | フォームに記入してください。 | 申請書やホテルのチェックイン時 |
Proceed to the next counter. | 次のカウンターへ進んでください。 | 空港や受付での指示 |
Be prepared. | 準備をしてください。 | プレゼンや会議の前に |
TOEIC Part 5(文法問題)での命令形のポイント
TOEICのPart 5では、文の構造を問う問題 や 適切な動詞を選ぶ問題 で命令形が登場します。
命令形の文では、主語(You)が省略されている ため、動詞の原形が最初にくる点がポイントです。
✅ 例題1:適切な動詞を選ぶ問題
(____) your name on the line before submitting the form.
(A) Writes
(B) Write
(C) Writing
(D) Written
👉 正解: (B) Write(命令形のため動詞の原形)
✅ 例題2:適切な形を選ぶ問題
(____) not enter the restricted area.
(A) Do
(B) Does
(C) Don’t
(D) Not
👉 正解: (C) Don’t(命令形の否定は “Don’t + 動詞の原形”)
TOEIC対策とビジネスでの実践を両立するには?
TOEICでは、命令形がそのまま出題される ことが多いですが、実際のビジネスでは柔らかい表現を使うのが一般的です。
そのため、TOEICの学習では**「命令形の基本を理解し、ビジネスシーンではより丁寧な表現を選ぶ」** という意識を持つことが重要です。
ビジネスで命令形を使うときの注意点
1️⃣ 直接的すぎる命令形は避ける
× Give me the file.(そのファイルをくれ。)
○ Could you give me the file?(ファイルをいただけますか?)
○ Please give me the file.(ファイルをください。)
2️⃣ 「Please」を付けて柔らかくする
× Send me the details.(詳細を送れ。)
○ Please send me the details.(詳細を送ってください。)
3️⃣ 依頼形(Would you~? / Could you~?)を活用する
× Call me back soon.(すぐに折り返せ。)
○ Could you call me back when you have time?(お時間のあるときに折り返していただけますか?)
4️⃣ ビジネスメールやチャットでは「命令形」より「依頼形」が適切
📌「Please」を付けたとしても、文章だけで見るとぶっきらぼうに感じることがあるため、
📌 Could you~? / Would you mind~? のような表現を使うとより丁寧に伝えられる。
ビジネス英語における適切な命令形の使い方
ビジネスシーンでは、命令形をそのまま使うとぶっきらぼう な印象を与えることがあるため、以下のようにソフトな表現 にするのが望ましいです。
直接的な命令形 | ビジネス向けの丁寧な言い方 |
---|---|
Send me the report. | Could you send me the report? |
Call me back. | Would you mind calling me back? |
Come to my office. | Please come to my office when you have a moment. |
Check this document. | Would you mind checking this document for me? |
🔹おすすめ学習法
✅ TOEICの問題演習で命令形を見つけたら、ビジネス向けの表現に言い換える練習をする
✅ ビジネスメールを書くときに、命令形ではなくCould you~? やWould you~? を意識的に使う
✅ ビジネス会話では、トーンや状況に応じて適切な表現を選ぶ(上司・クライアントには命令形を避ける)
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