TOEICで点数が伸び悩んでいる人やビジネス英語を苦手にしている人の多くが、過去分詞(past participle)と受動態(passive voice)の正しい使い分けができていません。これは、文法構造・意味の違いを十分に理解していないからです。この記事では、よくある間違いを解説します。
まず、最初に過去分詞と受動態の問題を解いて、理解度をチェックしてください。
いかがでしたか、意外と間違いやすいことが、わかりましたよね。
1. 受動態ルールを過信しすぎ
すべての過去分詞が受動態として使われると誤解し、以下のような間違いをします。
✅ The report was completed yesterday.
(正しい受動態)
❌ The completed report yesterday was important.
(誤り:過去分詞の誤用。動詞が不足、またはフレーズ構造が間違っている)
なぜ間違えるか?
- 学習者は “be + 過去分詞” を受動態のルールとして記憶し、形容詞としての過去分詞を認識できない。
- **動作(受動態)と状態(形容詞)**の区別がつかない。
- 過去分詞=動詞と考え、形容詞の役割もあることを見落とす。
2. 形容詞としての過去分詞 と受動態との混同
❌ The report was written manager.
(誤り:”by the manager” が不足)
❌ The written report was by the manager.
(誤り:過去分詞を誤って受動態の動詞として使用)
なぜ間違えるか?
- 過去分詞の異なる機能を理解していない。
- 形容詞(過去分詞が名詞を修飾) → The written report was informative.(「書かれた報告書」)
- 受動態(過去分詞が動詞フレーズの一部) → The report was written by the manager.(「報告書が書かれた」)
- 過去分詞を動詞の一部としか考えないため、形容詞としての用法を見逃してしまう。
解決策
- 受動態(The report was written)→ 出来事(イベント)を表す構造(「何かが起こった」)
- 形容詞の過去分詞(The written report)→ モノを中心とした構造(「書かれた状態の報告書」)
3. 主語が見抜けない
❌ The finished project approved yesterday.
(誤り:受動態の動詞構造が不足)
✅ The finished project was approved yesterday.
(正しい受動態)
なぜ間違えるか?
- 受動態には動詞フレーズが必要であることを忘れる。
- 過去分詞の形容詞用法と動詞用法の混同。
- 主語が不明瞭になり、動詞が不足しているのに気づかない。
解決策
- 形容詞の過去分詞 → 状態の記述(すでに完了したもの)
- 受動態 → 主語 + 動詞構造が必要(動作を説明する)
4. 完了した動作 vs. 状態の違いを理解していない
❌ The door was closed man.
(誤り:”by the man” が不足、または形容詞の位置が誤り)
✅ The closed door was difficult to open.
(正しい形容詞の過去分詞)
✅ The door was closed by the man.
(正しい受動態)
なぜ間違えるか?
- 完了した動作(受動態)と状態の記述(形容詞)を混同する。
- すべての過去分詞が受動態の形で使われると思い込む。
- **過去の出来事(受動態)と現在の状態(形容詞)**の違いが理解できていない。
解決策
- 受動態(出来事ベース) → “The door was closed by the man.”(誰かが閉めたという動作に焦点)
- 過去分詞(状態ベース) → “The closed door was difficult to open.”(ドアの状態に焦点)
6. 過去分詞の形容詞的用法への理解不足
❌ The report was reviewed manager.
(誤り:”by the manager” が不足)
❌ The reviewed report was by the manager.
(誤り:過去分詞の誤用)
✅ The reviewed report was informative.
(正しい形容詞の過去分詞)
なぜ間違えるか?
- 受動態の方がよく使われるため、形容詞の過去分詞を見慣れていない。
- TOEICの教材は受動態を文法ルールとして強調し、形容詞用法をあまり扱わない。
- “be + 過去分詞” が必要と誤解し、形容詞としての用法を見落とす。
解決策
- 過去分詞が形容詞になると、動作ではなく名詞の特性を表す。
- 受動態のルールばかり勉強すると、この概念的な変化を見逃し、混乱する。
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